看護師がアセスメントを行うポイントとコツ

看護師が行うアセスメントは、苦手とする人も多い分野と言われます。苦手意識を生む要因となっているのが、患者本人が訴える主観的な情報です。数値化できる検査データや観察して得られる視覚的なメッセージなど、客観的な情報を得ることは比較的簡単かもしれません。ですが、患者が発する主観的な情報を得られるか得られないかは、実施方法によって異なります。

いち早く患者の異常を察知したい看護師の気持ちは理解できますが、まずは患者本来の姿を把握することが大切です。正常な状態を理解することで、些細な変化に気付けるでしょう。患者の正しい状態を把握するには、日頃からよく観察することに加え、普段から何気ない話をするなど、コミュニケーションが重要と言えます。これは、病棟内で患者とずっと接している看護師だからこそできることです。

アセスメントは、継続して行われます。体温測定や検査を継続して実施することで異常に気付けるように、短くても患者との会話を毎日することで変化を感じ取れるようになるのです。アセスメントはある1日の膨大な情報ではなく、日々の細かい情報から成り立っていることを考えると、「今日は患者とうまく話ができなかった」「看護診断や計画に資する情報を得られなかった」と焦る必要はないでしょう。むしろ、患者がリラックスして話せる雰囲気づくりをしたり、いきなり体調の話をしたりするより、世間話から入るなどの対等な人間関係の構築から始めるのがおすすめです。